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2009年11月18日 (水)

THIS IS IT

マイケル・ジャクソンの『THSI IS IT』を観て、私は思った。

「天才」とか「カリスマ」って言葉を、やすやすと使うものではないと。

「本物」を言葉で説明したり、数字で証明したり、

「本物」と「まがいもの」を区別するのは難しい。

けれど、一切の先入観を捨てて実際に目の当たりにしたら、「それ」が「本物」かどうかは、すぐ分かる。

“THIS IS IT!”は「さぁ、いよいよだ!」という意味の慣用句らしいけど、この映画のITは「本物」を意味しているようにも思う。

「さぁ、これが「本物」だ!」と。

この映画(ロンドン公演に向けてのリハーサル風景)を観ている間、「もし本公演が実現していたら、どんなに素晴らしかっただろう」と、何度も思った。

その一方で、本公演なんて最初から存在しなかった。。最初から、このリハーサル風景こそが本公演だったのではないかという気もしてくる。それほど『THIS IS IT』はパフォーマンス、演出、編集の全てにおいて完成度の高い作品に仕上がっている。噂には聞いていたものの、本当に凄かった。

それは、「もはやマイケル・ジャクソンには本公演を乗り切る力が残っておらず、最初から本公演が無くなることを見越してリハーサル風景を収録していた」という意味では、必ずしも無い。

仮に本公演が行なわれていたとしても、このリハーサルこそが最高の出来(=本物)だったことは十分あり得る。

リハーサルだから歌もダンスも100%の力を出し切っているわけでもないし、周囲への指示出しでパフォーマンスが中断されることも多い。でも、その力の抜き加減や、指示を出す様子が、とてつもなく洗練されていて、めちゃくちゃカッコイイ。

彼のダンスの振付を真似する人はゴマンと居るけれど、彼のダンスの1番たぐい稀なところは、決まった振付の無い部分・・・無意識で音楽に身を任せているときの、独特のカウントのとり方(音やリズムの解釈のしかた)や、身体の動かし方(筋肉や関節の使い方)にある。

この、誰もマネすることのできない無意識的な凄い部分が、リハーサル風景では存分に垣間見ることができる。チャップリンやフレッド・アステアもそうだけど、歴史的な「本物」の凄さは、むしろ本番よりもリハーサルの記録映像に残されていたりするものだ。

一緒に観に行ったTomoさんも言ってたけれど、マイケル・ジャクソンの生涯がこういう結末でなかったとしたら、映画『THIS IS IT』が作られることもなく、私達がマイケル・ジャクソンを「本物」かどうかを目の当たりにする機会も二度と訪れなかったかもしれない・・・そう思うと、とても複雑な気分になる。

映画の中の祝福に包まれた彼と、報道で取り沙汰される悲愴な彼を重ね合わせると、「本物」だけに与えられた喜びと、背負わされた苦しみに、思いを馳せずにはいられない。

『THIS IS IT』は、「本物」の目撃者として私達が「目の当たりにするべき」映画なのかもしれない。

58it

映画鑑賞の後は映画館の階下のカフェ『Le Ba-Ta-Clan』でお茶の時間。このカボチャのケーキ、たまらなく美味!(※イギリスで故障して以来、久々に復活したRICOH GX100で撮影)

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コメント

この映画のヒットで、本来あまり見ない人もマイコーのパフォーマンスを見る機会があったのかな。悲しいことに、ヒットすればするほどお姉さんのラトーヤが、「マイケルは殺された。なぜなら彼は死んだ方がお金になるから」と言ってたのを思い出す。あと私は「All I wanna say is that they don't really care about us」と歌うマイコーが忘れられません。死んでしまったことはThis is not itです。

投稿: イスパハン | 2009年11月18日 (水) 22時33分

こんばんは。

筋金入りのMJファンであるイスバハンさんは、この現象に一家言あるでしょうね…(と、MJを観るたびに、いつも私はアナタのことを思っています)。

確かにあの映画は、彼を既によく知る「本物のファン」より、これまで余りよく知らなかった「その他の人達」がより衝撃を受け、熱狂する用の作品なのかもしれません。

しかし、アレだな…。ラトーヤさんの辛辣な言葉は、これまたアナタの愛するモディリアーニの死と作品価値の高騰を彷彿とさせますね。

私は筋金入りのファンではないけれど、それでも「本物」の目撃者の1人として、それがThis is not itだと信じたいです。

投稿: ♪イスバハンさま | 2009年11月18日 (水) 23時54分

「This is it」はそういう意味なんだね~
「Startin' something」から始まり
「Man in the mirror」で終わる本編は
まさに彼の全盛期総集編といった感じでしたね。
ほんとみっちゃんの言うように、
彼のステージやパフォーマンスの称賛とは別に
昨今では裁判のことや私生活が取り沙汰されて
苦しかっただろうね。ファンも共に。
「I'll Be There」を歌いながら手を振る彼を見て
そこにはまだ居ないファンの姿を
どんな風に想像していたんだろうと思った2回目のThis is itでした。
今日もひたすらマイケルを聴いていたのでした。

投稿: Tomo | 2009年11月19日 (木) 00時22分

ほんと、「観に行くならこの時しかない!」というタイミングでTomoさんとご一緒できて良かったです

改めてメクルメク名曲の数々でしたねぇ☆私は主要な曲しか知らないし、MJも全盛期ほどの声量で歌い上げているわけではないのだけれど、それでも十分過ぎるほど胸打たれました。とにかく「本物」なんですよ全てがッ。私の表現力ではこれ以上無理って感じ(^^;)

『THIS IS IT』しかり、私はマイケル・ジャクソンをみていると、どうしても映画『アマデウス』を思い出します。
ひどく乱暴な言い方をすれば「バカと天才は紙一重」。でも「バカ」とか「天才」とかは、いわば凡人の目で見た評価なり物差であって、そんなふうに、世の中は大多数を占める凡人に都合の良い仕組みになっているので、凡人じゃない彼らが生きる労苦は、凡人の想像を絶するんではないか_なんて思ってみたり。

とにかく色々な思いが広がる『THIS IS IT』です(^^;)

投稿: ♪Tomoさま | 2009年11月19日 (木) 11時21分

おや、近くに来てたのね

投稿: りんりん | 2009年11月19日 (木) 15時23分

はい、近くに行きました(^0^)

といっても、平日の昼間だから会えるはずもなかったけど…

また今度はゆっくりお食事でも(^_-)/

投稿: ♪りんりんサマ | 2009年11月20日 (金) 00時21分

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