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2009年6月16日 (火)

写真館への憧れ

昨日、写真講座の帰り、面白い写真展に遭遇しました。

寺町通二条下ルにあるギャラリー『Terra』で開催されていた「家の記憶」(※昨日が最終日)。

『Terra』は、戦前に建てられた町屋を、なるべく原型を残した状態でショップ兼ギャラリーに改装した所。その建物の優美さに、まず心を奪われました。和風建築でありながら、階段の上り口の壁面がアールヌーボーっぽい(?)曲線形にくり抜いてあったり、窓ガラスに洒落た木枠とモダンな機能がほどこされてあったりと、私も大好きな「和洋折衷」の粋が散りばめられていて、「こんなギャラリーで写真展してみたい☆」と、うっとり(…空想するのは自由)。

この建物、70年前までは写真館だったそう。それを知った現ギャラリー・オーナーが、以前の家主や、お客としてここへ写真を撮りに来た人たちのことを追跡調査し、写真を探し出して展示することにしたのが、今回の写真展だったのです。

展示されていたのは、緊張気味ながらも晴れがましい表情で写っている、お客たちのポートレイト。古いタイプの写真の特徴なのですが、被写体の質感や、光の織りなす陰影が、驚くほど鮮明に写しだされています。それにしても、何十年_いえ、何百年たっても色あせないモノクロ写真の普遍性には、古い写真に出会うたび感動します。

元々、私は写真館で撮られた写真にはほとんど興味がありませんでした。写真館へ写真を撮りに行ったこともないし・・・

でも、イギリスに滞在していた時、ロンドンの『Photographer's Gallery』で面白い展示を観たんです。それは、Brixtonという、ロンドンでも治安の悪さで有名な下町で、昔、写真館を営業していた人が撮影したポートレイトを一挙公開したものでした。昔も今も、Brixtonにはカリブやアフリカからの移民が多く住んでいます。ずっと厳しい生活を強いられてきた彼らが精一杯お洒落して、いかにも安っぽい西洋名画風の書き割りをバックに、誇らしげなポーズで写っているポートレイトの数々・・・中には、当時、時代の最先端だったらしい「黒電話」を、わざわざ小道具に使って(受話器を耳に当てたポーズで)写真におさまっている人の姿も。

そういった写真は、当時は大真面目で撮ったものでも、今では滑稽に見えたりもするけれど、だからといってバカにするのではありません。むしろ撮る方も撮られる方も「少しでもキレイに(カッコ良く)写ることしか狙っていない」営業写真だからこそ、かえって「狙った写真」以上に、歴史や、ヒューマニズムや、アートのカケラが写し込まれたりするもんなんだなぁと、気づかされました。

あのとき以来、写真館で撮られた写真や、写真館そのものにも興味を覚えるようになった「ふぉとみっちゃん」です。

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コメント

写真館の写真 ある意味好きです 写真が今ほど メジャーじゃなかった時代に、発展してきたものですよね。子供の頃に家族で撮ったものが 一枚あります。どちらかというと皆無表情なんですが私の記憶にはない 非日常(無表情な)的な家族の姿は その一枚でしか見ることできませんから 写真館に並んでいる 写真を覗くのも 又興味深く 何故その写真がチョイスされたのか そのポーズ表情にがでるまで、どんなやりとりがなされたのか 想像したり 話したり モノクロ写真にはカラーにはない 癒やしがあります 私も 何時か 癒し系のモノクロ写真を一枚でよいので撮ることができればと思っています

投稿: あつこ | 2009年6月21日 (日) 07時56分

あつこサン、こんばんは。

ほんと、写真館の写真って、なんか非現実的で不思議な雰囲気を醸し出していますよね。
…ただ、それが原因で「こんなの私じゃない!」と記念写真がトラウマになってしまう人も少なくないようですが(^^;)

やはり、もし私が写真館の主になったら_ナチュラルで、その人の気持ちや人柄が滲み出るような「記念写真」を撮りたいですねぇ

うん、「癒し系のモノクロ写真」もステキです☆

投稿: ♪あつこサマ | 2009年6月22日 (月) 00時38分

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